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第二章:パトス の変更点

[[原文リンク>http://allone-works.com/ngc/index.php/2015/06/10/chapter-2-pathos/]]
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''%%%第二章:パトス%%%''
パトスは枠線が緑ではなく青色だったことを除いて、木星ステージと構成は同じだった。
最初に気づいたことは、通常ステージのアイコンが全て青いと岩とハニカム型の岩に置き換えられていることだった。
一つだけツタ状のアイコンもあったが、あまり気にはしなかった。
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新しいモンスターを見るためにステージの反対側を見ると、ヘドラの代わりにビオランテがいた。

&ref(map3.jpg,nolink,zoom,350x300);

だがこんなことは起こりうるはずが無かった。
このゲームは1988年に発売された物であり、1989年の「ゴジラvsビオランテ」上映までビオランテが登場することは無かったのだ。
東宝は来年の映画に向けてビオランテを登場させたが、気が変わってしまったのだろうか?
俺はこのゲームの異常さをなんとか合理化しようとしたが、上手く出来なかった。
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パトスマップの曲は俺が初めて聴く曲だった。
他の新しい曲と同様、説明するのは難しいがやってみることにしよう。

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始まりはゲームのどの曲よりもゆっくりで、緊迫した雰囲気な曲だった。
しかし毎回12秒くらいに大きな音がして曲のテンポが変わるのだ。
まるで作曲者が5つの異なるパートを同じ楽器でランダムに演奏したような曲だった。

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俺はゴジラをツタ状のアイコンの代わりにある青い岩の一つに移動させ、ステージに入った。
ステージには青い山脈と、空に浮かぶ血のように赤い惑星があった。
だがその山々は「千切れた紙」のような見た目で、どこか奇妙な感じがした。
最初は不具合の影響かと思ったが、それはあまりにも意図的なものだった。

&ref(Pathos_stage.jpg,nolink,zoom,350x300);

この新しいレベルですぐに気づいたことがあった。
敵が全くいないのだ。障害物すらない。

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それに加えここからスコアメーターがバグり始め、読めなくなってしまったことも特筆しておきたい。
だが俺はゲームのスコアを気にすることは無かったので、何とも思わなかった。

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だから何も気にすることなく、誰にも邪魔されずBGMを聴きながらステージを進めていた。
BGMには哀愁が漂っていた。普通のゲームで聴いていたらむしろ心地よかったかもしれない。

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このステージは三画面くらい続いたが、周りに障害物が無いためあっという間に終わってしまった。
敵が出現しないか他の青い山に入ってみたが、何もなかった。
青い山には他にほとんどなかったので、他のステージに挑戦することにした。

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オレンジ色のステージに入ると、グロテスクなオレンジ色の目の背景が目に飛び込んできた。
「空」と「地面」が同じだったからこのステージは洞窟の中なのだと思った。

&ref(scary.jpg,nolink,zoom,350x300);

敵はマタンゴのみだったが、ご覧の通りこいつらはそこら中にいた。
BGMはホラー映画のモンスターのテーマのようで、金切り声と大きなドラムビートが混在しているようなサウンドだった。
ステージをクリアした後、俺はなるべくこのステージには入らないようにした。

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マップは短く、モスラとゲゾラに再選を挑むまで数分しか掛からなかった。
だが今回は奴らのスプライトと行動パターンが大きく異なっていた。

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まずはモゲラに挑んだ。モゲラの代わりに登場したのは、パスカグーラ星人のような見た目をした飛行物体だった。
モスラの戦い方に似ているが、動きはモスラより優雅だった。
ビームを出してくるのは同じだったが、前方の触手をスクリューのように回転させながら攻撃し、ドリルからビームが出るようになった。

&ref(Not_Moguera.jpg,nolink,zoom,350x300);

この細々しい異形の怪獣はゲゾラに代わって登場した。
早いペースで走り、ジャンプし、常に腕を振り回したりと、相変わらずうざったい行動で俺を画面端に追い詰めようとしてくる。
俺は熱光線としっぽ攻撃でこいつを倒した。

&ref(Not_Gezora.jpg,nolink,zoom,350x300);

俺は奴らを倒し、チタノザウルスと戦おうとするとどこにもおらず、チタノザウルスの駒がなくなった状態でマップに戻った。

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もうビオランテ以外に戦う相手がおらず、気持ちを高めて戦闘に挑んだ。

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ビオランテが花獣形態で戦闘を開始したのにはかなり驚いた。
彼女は動かず、その蔓で弱点の本体から遠ざけてくる。

&ref(biollante_Phase1.jpg,nolink,zoom,350x300);

予想通り、ビオランテはダメージを受けると最終形態に変形した。
スプライトはドット絵にしてはかなり良い印象だった。

&ref(biollante_Phase2.jpg,nolink,zoom,350x300);

ビオランテが他のモンスターより動きが鈍いとはいえ、移動できるようになったことを除けば戦い方は同じだった。
蔓で食らうダメージが大きくなり、酸液を吐き出すようになったが、なんとかジャンプをして避けた。

&ref(biollante_Attack.jpg,nolink,zoom,350x300);

チタノザウルスほど難易度は高くなく、2ラウンドほどで倒すことができた。
だがビオランテを倒した後、音楽が止まり、敵軍基地と入れ替わって新しいアイコンが表示された。

&ref(Pathos_Red.jpg,nolink,zoom,350x300);

このアイコンはビオランテを倒すまでは存在しなかった。
それは赤い部族のような仮面のようで、見た瞬間俺は恐怖を感じた。
だが基地の代わりになっているのだから、パトスを出るにはここに行くしかない。
俺はゴジラを移動させ、ステージに入った。

&ref(RUN.jpg,nolink,zoom,350x300);

そこには空が無く、背景に炎が揺らめく地獄のような場所だった。
その炎は俺がファミコンで見たものより、遥かに滑らかなものだった。
音楽は心臓の鼓動のようなゆっくりとしたドラムの音だった。

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画面上の文字も、ライフバーも全てが消えていた。
その代わりに画面中央には''%%%「逃げろ」%%%''という文字が一つだけ表示されていた。

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恐怖が俺を包んだ。慎重に前へ進めるが、青の山脈の様に敵はいない。
一分ほど歩いてこう思った。

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「逃げろ?…一体何から?」

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周りには何も居なかった。
突然部屋の外で物音がして何か落ちたのだろうかと振り返った後、再びテレビに目を戻すとゴジラが死んでいた。
不具合だろうと思ったが、ゴジラを失ったままゲームを進めるのは嫌だったのでゲームを再起動しパスワード画面へと移動した。

&ref(Password.jpg,nolink,zoom,350x300);

パスワード画面の音楽が不気味ということについては知っているだろうか。
このゲームをプレイしたことのある人なら、わかってくれる思う。
ゲームの雰囲気に合っておらずホラーゲームにある様な曲調なのだ。
おそらく子供が不正をしないようにああいう曲を作ったのだろう。

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このとき俺はまたステージのボス全てと再選するのかと思い、かなり腹が立った。
だがそんなことは無かった。
ゲームはあの赤い顔のステージを始める前のところからスタートしたのだ。
今回は細心の注意を払い、俺は再びこのステージに入った。

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ステージに入ると低い咆哮のようなものが聞こえた。
そして俺は見たのだ。このバケモノを…

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極度の危機を感じた時、体が感じる感覚をご存じだろうか。
アドレナリンが流れ込み、その反動で体が緊張し神経がとても冷たくなるのだ。

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それがこのスクリーンショットを撮った時に感じたことだ。

&ref(Red_appear.jpg,nolink,zoom,350x300);

俺は全てのゴジラ映画を見たわけではないが、「こいつ」はどの映画にも出てないと確信している。
きっと開発者が作ったものに違いない。
しかし子供向けゲームにこんなものを登場させるなんて、一体どこのクズ野郎なんだ?

&ref(Red_running.jpg,nolink,zoom,350x300);

幸運なのかアドレナリンが出たからなのか、俺は何とかヤツから逃げ切ることができた。
あいつはもの凄いスピードで追いかけてきていたので、すぐに捕まえられ死んでしまうかと思った。
といっても死ぬのは操作している怪獣で、俺が死ぬわけじゃないのだが。

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マップに戻った俺はあまりの恐ろしさにゲームを終了し、何もなかったことにしようとした。
自分が見たものはきっと夢に違いないとしか思うことができなかった。

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このまま進むにしても、次はモスラであの追いかけっこステージをクリアしなくてはならない。
しかし、数分間マップ上で何もしないでいると、恐怖心は燃え上がる好奇心へと変わった。
一体何が起こったのだろう?この先、どんな展開が待っているのだろう?
モスラでクリアすれば次の世界へ行くことができる。

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だがモスラを赤い顔に移動させると、何故かステージをクリアしたことになった。俺はちょっと安心した。
次の世界「トランス」に備え、心の準備をした。(第三章へとつづく…)

&ref(Trance.jpg,nolink,zoom,350x300);

(第三章 更新予定日 → 2023 3/11 ~ 3/12)
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